
南方熊楠に「抜群の記憶力」「型破りの天才」などの断片的イメージを持つ人は少なくないが、その生涯をかけた研究の全貌はあまり知られていない。わたしたちは得てして物事を細分化し、限定的理解に甘んじようとしがちだ。それは学問においても同様かもしれない。だが熊楠が確固たる信念をもってとり続けた姿勢は、広大無辺の宇宙をありのままに捉え、そこに生きるということではなかったか。近年よく耳にする「エコロジー」「スピリチュアル」という言葉。100年以上も前からそれを体現していた熊楠に、もう一度、学ぼう。
2010年1月28日(木)19:00〜21:00
(受付開始 18:45 )
1966年生まれ。比較文学比較文化専攻。平成6年頃より、田辺市・南方熊楠邸保存顕彰会による熊楠旧邸の蔵書・資料調査に参加し、蔵書目録・資料目録の編集に携わる。現在、南方熊楠顕彰館所蔵一次資料の調査および翻刻紹介事業に協力。また『(全訳)南方熊楠英文論考「ネイチャー」誌篇』(集英社、共編訳)を刊行後、現在同『〔ノーツ・アンド・クエリーズ〕誌編』を鋭意翻訳中。
■南方熊楠(1867-1941)
和歌山市出身。和歌山中学卒業後上京、東大予備門に学ぶが退学し、20歳で渡米。1900年まで、英米を渡り歩きながらほぼ独学で生物学(高等植物および隠花植物)と民俗学、比較説話学を修め、イギリスの学術誌『ネイチャー』などに論考多数を発表。帰国後は紀南の地にあって、民俗学・説話学の論考多数を日英の雑誌に寄稿し、在野の知的巨人の名声を博すとともに、日本産キノコおよび粘菌の生態相解明を志して採集・観察を生涯続けた。
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